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労働条件Q&A

Q.労働条件等とは?

A.労働条件とは、労働契約関係における労働者の待遇の一切をいい、具体的には、賃金・労働時間・休憩・休日・休暇等がこれにあたります。

Q.労働条件をキチンと教えてくれない…

A.労働基準法第15条に、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定めています。具体的には文書で労働者に示すこととされています。労働者が要求しても出してくれない場合、労働基準法では「30万円以下の罰金に処する」(労働基準法第120条)となる違法行為です。しっかりと請求してください。

Q.労働条件が求人票と違う

A.求人票の表現はあくまで目安なので、労働条件の内容は面接時の合意により成立します。求人広告をうのみにせず、労働条件をしっかりと尋ね、採用時に「労働条件通知書や雇用契約書」の交付を求めましょう。

 

会社と賃金についてのやり取りがなかったのなら「求人票の金額と契約内容が違う」と主張し、説明を求めましょう。説明された内容に納得ができなかったら、求人票どおりに契約書を訂正させましょう。訂正を拒んだら、即時退職できます。その場合は会社都合の退職となります。このような場合のやり取りは必ず録音しておきましょう。トラブルになった時に有効です。

賃金Q&A

Q.賃金の定義は?

A.賃金とは、使用者が労働者に労働の対価として支払うものであって、名称の如何を問わない(労働基準法11条)。

Q.給与が思ったより低いのでは…

A.必ず給料明細もらい確認しましょう。給料が契約どおり払われていない、知らない間にカットされている、残業代が出ていない、などのことはありませんか。また、「これ以下の賃金で働かせてはいけない」という法律(最低賃金法)があり、それを下回る契約は無効とされ経営者は罰せられます。

Q.残業手当が払われない…

A.労働時間は1日8時間、週40時間を超えてはならないと定められています(労働基準法第32条)。それを超えた場合、使用者には、平均賃金の25%増しの残業手当(深夜の場合は50%増)を支払う義務が発生します。同時に厚生労働省通達で、労働者の労働時間の管理は事業主の責任で行うこととされています。長時間働いたら、堂々と残業代を請求してください。

なお8時間労働の例外規定として「変形労働時間制」「フレックスタイム制」「36協定」などの制度がありますが、いずれも労働組合との合意や過半数の労働者代表との合意があることを労働基準監督署に届け出なければなりません。そうしなければ制度そのものが無効になるものであり、使用者が一方的に押し付けることはできません。

一部に、労働時間管理をしない経営者が根強く残っています。その場合は、メモやカレンダーなどに出退勤時間の記録を残すようにしてください。証拠がなければ請求できません。

なお、未払い残業代の請求は、2年で時効になります。気を付けないと請求できなくなります。。

解雇Q&A

Q.突然「解雇する」と言われたが…

A.ほとんどの労働者は、賃金だけで生活していますので、労働者の生活手段を絶つには、それなりの理由が必要です。解雇には「懲戒解雇」「整理解雇」「普通解雇」があります。

「懲戒解雇」は、犯罪行為や重大な背任などの反社会的な行動をした場合に適用されます。

「整理解雇」は、解雇しなければ企業の存在が危うくなる状況が客観的に証明できて、解雇を回避するための最大限の努力がされていて、解雇される人を決める理由に合理性があり、当人(組合)としっかりと話し合いがなされていることが条件となります(整理解雇の4要件)。

「普通解雇」は、労働契約法第16条で「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。つまり、誰が聞いても「仕方ない」と判断できる理由がなければ解雇はできないのです。

「解雇だ」と言われたら、解雇理由を明記してある「解雇通知書」を請求してください。社会的に相当な理由がない不当な解雇がかなり多くあります。解雇されたからと言って簡単にあきらめずに、その解雇通知書を持って、労働組合に相談してください。

ハラスメントQ&A

Q.セクハラ・パワハラを受けている…

A.セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)は、性的言動によって人格も傷つける不法行為です。(1)地位の優位性を背景に交際を迫るなどの「対面型」と(2)卑猥な言動などで職場環境を害す「環境型」 に大別され、事業主に防止対策義務があります。
パワーハラスメント(パワハラ)は、①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動、③当該言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられことにより就業環境が害される、という3要素を満たすものをいいます。

ほかにも、職場における妊娠・出産・育児・休業等に関するハラスメントもあります。

全てのハラスメントは働く人の尊厳や人格を傷つける許しがたい行為です。これらは男女雇用機会均等法や労働施策総合推進法、育児・介護休業法等により、事業主に防止措置を講じることを義務付けています。

〇事業主が雇用管理上講ずべき措置は以下のとおりです。
1.ハラスメントの内容、方針等の明確化と周知・啓発
2.行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発
3.相談窓口の設置
4.相談に対する適切な対応
5.事実関係の迅速かつ正確な確認
6.被害者に対する適正な配慮の措置の実施
7.行為者に対する適正な措置の実施
8.再発防止措置の実施
9.業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者等の実情に応じた必要な措置
10.当事者などのプライバシー保護のための措置の実施と周知
11.相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知・啓発
 

一人で悩まずに相談窓口や労働組合に相談しましょう。また、厚労省には、ハラスメントの相談窓口が設けられています。匿名で相談できます。
○ハラスメント悩み相談室(厚生労働省)

休暇Q&A

Q.「うちには有給休暇なんかないよ」と言われたが…

A.労働基準法第39条で「使用者は、その雇い入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、または分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない」と定めています。さらに、1年を経過するごとに1労働日を与えることとしています。6箇月間継続して働いていたら、パートもアルバイトも有給休暇が取れるのです。

使用者は、労働者の有給取得を拒否できません。あるのは「日程の変更要請権」だけです。さらに有給休暇の付与に理由をつけることも許されていません。どのように使うかは労働者の自由であって、使用者として「慶弔以外は認めない」などの制限をかけられないことになっています。

ですから「休暇願」ではなく「休暇届」が正しいのです。「休暇届」を出して、堂々と休んでください。

労働災害Q&A

Q.仕事中に怪我した場合は労災保険の対象か?

A.事業主が保険料を全額負担する労災保険は強制加入保険です。パート、アルバイトも含め、労働者を一人でも雇用している事業主は、必ず労災保険に加入しなければなりません。仕事中や通勤途中に事故にあったり、ケガをし、仕事を休むときには、労災保険から医療費や休業補償が支払われます。事業主に手続きを申請しましょう。

労働者には労災保険を請求する権利があり、事業主は労働者や遺族からの要請を受けた場合、保険請求事務に協力する義務があります。労災保険を請求は、事業主が労災保険未加入や保険料未納であっても行うことができます。もし、事業主が手続に必要な証明を拒否する場合は、証明を拒否された旨の上申書を添付して労働基準監督署に申請できます。

労働者災害補償保険法施行規則23条1項(事業主の助力等)

労働災害が発生したとき(厚生労働省)

社会保険Q&A

Q.社会保険って何がある?

A.「社保完備」として労働者を募集する企業が圧倒的です。この「社会保険」とは、「健康保険」「厚生年金」「労災保険」「雇用保険」の4つがすべて揃っていることが条件です。また、事業主の負担で最低でも年1回の健康診断を実施することも定められています。
事業所は、労働者を雇用したら、遅滞なく社会保険を適用することが義務です。「試用期間だからかけない」「本人の希望を聞いてから手続きをする」という次元の問題ではありません。

パートやアルバイトでも一般労働者の4分の3以上労働時間または労働日数であれば、社会保険に加入することができます!

非正規雇用の権利Q&A

Q.「パートには何の権利もない」と言われたが……

A.日本国憲法第27条に基づいて、最低限の働くルールについて定めた法律が「労働基準法」です。労働基準法第9条に、労働者の定義があります。労働基準法には、正規も非正規も、パートもアルバイトも派遣などの区別はありません。労働基準法の下では、すべてが「労働者」であって、パートであっても、正規の労働者と同じ権利を持っているのです。

ですから、「パートだから」「派遣だから」という理由で労働者を差別することは、本当はあってはならないのです。交通費も有給休暇なども堂々と要求してください。

Q.「派遣」労働者の権利とは?

A.派遣労働者の場合、雇用責任があいまいにされ、賃金・労働条件・社会保険・安全衛生などさまざまな問題があります。 二重派遣や「偽装派遣」も社会問題となっています。

 

派遣労働者とは、労働契約を「派遣元」と行い、「派遣先」の事業所の指揮命令下で働く労働者のことです。
【派遣元と派遣先の責任】
労働条件、就労条件の明示、②時間外割増賃金手当や年次有給休暇など労働基準法など労働者を保護する法規の適用は派遣元事業主の責任、また、(a)労働安全衛生法、(b)均等法、育児、介護休業法、(c)セクハラ対策処置は 派遣元と派遣先事業所が分担して責任を負います。さらに、(1)労働時間、休暇、休日の適用、(2)公民権行使は派遣先事業主だけが責任を負います。
【禁止される派遣】
現在は、①厚生労働大臣の許可、届け出がない事業所による派遣、②「請負」と称して派遣する「偽装請負」、③派遣対象業務以外への派遣、④日雇派遣、⑤事前面接、⑥二重・多重派遣、⑦派遣法で決められた上限を超える、 長期にわたる派遣、などは禁止されています。

Q.有期雇用の無期雇用転換って何?

A.労働契約法が改定され、有期雇用を続けて丸5年経った労働者は6年目に入った段階で経営者に対し翌年からの無期雇用契約への転換を申し入れることができ、 経営者は無期雇用転換しなくてはいけません。
無期転換前の雇い止めが全国的に横行していますので、無期転換を申し入れる前に労働組合に加入して交渉することが大事です。

組合をつくろうQ&A

Q.労働組合をつくるには?

A.憲法では、働く人の権利等を守るために、労働組合をつくって団体交渉等を行う権利を保障しています。企業を相手に職場要求を実現していくには、多数が加入する労働組合にすることが重要です。労働組合結成はおおよそ以下の流れで進めます。ただし状況によっては順序が逆になる場合もあります。
①対象者に合う

②有志による結成準備会の発足

③加入を呼びかける

④結成大会の準備(組合規約案作成)

⑤結成大会

⑥組合結成を使用者へ通知(要求書提出)

⑦団体交渉

具体の組合結成にあたっては、香川県労連にご相談ください。

労働組合(厚生労働省)

Q.一人でも入れる組合ありますか?

A.香川県労連にはどの産業や職種でも個人で加入できる香川県民労働組合があります。また、県内自治体に働く、正規や非正規を問わずに組織化を進める香川公務公共一般労働組合もあります。詳しくは香川県労連までご相談ください。

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